ランドルト環&金環

2012.05.21 Monday

お店の案内カードを新しくしました。
この類いの物を作るときいつも試し刷り無しなので、でき上がるまで不安です。今回は思っていたイメージに近く、ホッとしています。

店頭にありますので、ご自由にお持ち帰り下さいませ。

今朝の世紀の瞬間
眼鏡関係者らしく『ランドルト環日食』・・・
視力検査の視標として使われるアレの正式名称が“ランドルト環”です。

ちなみに
開発者のエドマンド・ランドルト氏の名前が由来で、1909年の国際眼科学会の協定により国際基準に採用されています。
ここからは興味のある方だけ…
ランドルト環で検査する視力は最小分離閾、文字や図形などで検査する視力は最小可読閾といわれ、視標により視力が異なる場合があります。視標以外にも視力が異なってしまう要素は(誰が検査しても同じ視力になるとは限らない)たくさんあります。つまり、視力とは目の状態を正確に表した数値ではありません。
ですから、視力だけで、メガネの度数が合う合わないの基準にしてはいけませんよ。

母の日にお母さまへ

2012.05.13 Sunday

Tさまは小さい頃、遠視による弱視治療を受けられていましたが、中学を卒業する頃にはメガネ無しで生活。

心配なお母さんはTさまのことを考えて当店での目の検査を勧められました。
やはり、今後のことを考えてもメガネが必要だということで新調していただきました。spec espace/ES-5042(お母さまはKAMURO/pirkaetorをご使用)

検査をして分かったことは、掛けたくなかった訳ではなく、掛けていると疲れるメガネになっていたから、メガネ無しで生活していたことが分かりました。

遠視の場合、小さい頃は集中力が保てないことが多くあります。そして、これは私の経験から来る見解ですが、成長すると我慢強くなる方が多く見られます。この原因は、専門的な内容になるため知りたい方はご来店時にお訪ね下さい。いつかブログでも機会があれば・・・。

遠視の場合“集中力が保てない”や“我慢強くなる”は、目の専門家として言うと「性格」と言うよりは、目が原因で起こる「特徴・個性」です。

もし現在、幼少のお子さんが周りの子達と比べて“落ち着きが無い”や“集中力が保てない”で心配されているお母さまは、誰が悪いということではなく、目が原因の場合も考えられますよ。一度、弱視治療専門の眼科受診をおすすめします。
※この他にも、よくコケル、物にブツカル、茶碗やコップを倒す、などは遠視の可能性があります。

話しを戻します。Tさまは我慢強い傾向があり無理な疲れるメガネのことをお母さんに言えなかったんだと思います。それを感じていたお母さん。思いやりを感じて優しい気持ちになれた一日になりました。Tさまの現在の視力はお母さんの頑張りのおかげでもありますからね〜。
ちなみにTさまは、とあるバンドのドラマーです。お母さまは先日AKITTO“lev”でメガネを新調していただきました。
親子合わせてのご購入と、優しい気持ちをいただきましてありがとうございました。

メガネを作るための検査と心理学〜補足〜

2012.01.29 Sunday

昨夜、所ジョージさんが出演している番組フジテレビの『サイエンスミステリー/見えざる禁断の世界鵺』ご覧になりましたでしょうか?

新聞のテレビ欄の“視野の半分がない夫”が気になり・・・見ました。
その内容が、先日ブログでお話しした内容と酷似していることにビックリ!

ビックリついでに、
本日は番組内容「見るとは…愛とは…その不思議な世界」と先日の“メガネと心理学”の内容に補足します。

見ていない方のために簡単に番組内容は…
両目の視力が正常な男性が、脳の障害により自分の左側にあるものを認識できない。
例えば、食事の時に、この男性の場合だと自分の右側の料理だけを食べて、左側にある料理には手を付けないなどの症状が出る。これは、“半側空間無視”という症状で、脳卒中患者の約4割に後遺症で発症するという内容でした。

半側空間無視は決して半分の視界を無視しているのではなく、認識ができないのです。見えていてもその情報を脳が処理できていないんです。

メガネを作るための検査の際「片方の目は全然見えないんです。」と言われることがありますが、私の場合には必ず、どちらの目も検査します。たとえ全盲の方でも目の機能が失われていない場合は、認識する可能性があり検査します。

これは、「見えない」は見えないと感じているだけで目は何かを認識している可能性があるからです。認識している場合は、メガネの度数を決定する際に両眼のバランスを考慮してメガネをお作りします。
その逆もあります。「見えている」は見えていると感じているだけで、目ではぼやけて見えていても、見慣れたものだと何となくでも脳が習慣で判断できてしまうことがあります。習慣による違いは、文字が得意な人はランドルト環(下図)より文字の検査が良い視力がでやすく、日常で細かい指先の作業をしている人では文字よりランドルト環の検査が良い視力がでやすくなることがあります。
←ランドルト環です。
番組終盤に半側空間無視の男性は、奥さんとの思い出の場所に行くと、その風景は「昔と全く変わりがない。」と言っていました。これは重要なことで『見る』は、脳の機能が失われて認識できなくなっていても、記憶や経験で見ているものを補うことができ、『見る』は心でも見ていると実感させられました。

当店では、同じ眼の状態(殆どありませんが仮に)の方がおられたとしても、同じメガネを作ることは稀にしかございません。使う環境や目的、さらには心理的な状態で必ず個々に違いがあるからです。…以前も書いてたらごめんなさい。


そして、番組の最後の最後にブログでも紹介していた月の大きさが“大きく見えたり、小さく見えたり”する視覚心理学の話しで締めくくっていました。これは特に内容がブログとほぼ同じだったので、いつもブログを見ていただいて番組を見た方は、きっと驚かれたことでしょう。

でもこれは、全くの偶然ですよ。


今後も、フレームやレンズのみならず、一般には知られていないようなメガネの世界をご紹介していければと考えています。『メガネ…その不思議な世界』

メガネを作るための検査と心理学〜その2〜

2012.01.20 Friday

「心理学は眼の検査に、とても重要だと考えています。」の続きをお話しします。


検査で「もう見えない。わからない。」とお答えいただいた際に私がよく使う言葉で
「勘でも良いので、答えていただけますか?」と言うことがあります。
時には「一か八かで答えていただいても構いませんよ。」と言う場合もあります。


そんなの良いの?と思われるかもしれませんが、これで分かることがあります。

眼は眼だけで見るものではなく脳を通して見ています。眼で見えていても脳で判断が出来なければいけません。
判断する脳は心理的な要素や性格や環境など、様々なことに左右されます。
良いメガネを作るためには「分かりません。」と言う言葉の真意を知る必要があります。

勘で答えていただいた時に、正しいお答えが得られた場合は、眼で見えていても、眼以外の何らかの要素で「分からない」と答えたことになります。
例えば、
心理的な要素には
私(検者)を信頼できない
○答えることをめんどくさく感じていた
○人の注意を惹きたい。お子さんでは多くあります  等々
性格的には
○あきらめが早い
○几帳面でしっかり見えていないと答えたくない性格 等々
環境などには
○日常ぼやけた状態で見ている。(合っていないメガネを掛けていたり、メガネなどでの矯正が必要なのに何も使用していない。など)
*日常ぼやけた状態で過ごしていると、眼では見えていても脳が判断できないことがあります。脳も使わないと衰えることがあります
○物が歪んで見えているため、自分でも見えているのか見えていないのか判断が出来ない
*黄斑変性症や糖尿性網膜症や高血圧などの眼疾患の可能性があります。このような時は、病院への案内をいたします。
・・・等々。

これらを感じ見分けるための入り口の言葉が「勘でも良いので、答えていただけますか?」になります。

良いメガネを作るための検査は、
検者と被検者との対話が基本で、被検者との信頼関係を築けなければ良い検査は決してできません。どんなに眼やメガネの知識と技術、またその経験があっても真意を知ることこそが、皆様に喜んでいただけて実生活で役立つメガネへの完成につながります。


たくさんの方々を検査すればするほど“心の目”を知ることが必要だと感じています。



店内でお待ちのお客さまへ退屈しのぎアイテムとしてトリックアート展のお土産をご用意しました。
遠近法や陰影法を駆使して、飛び出して見える絵画のレプリカ。

こちらは両眼視差により、覗くと飛び出して見えます。お店に用事がなくても、暇つぶしに見に来て下さいね。


両眼視差により飛び出す が「飛び出して見えない。」って方は、必ず私にご報告下さい。検査が必要です。

メガネを作るための検査と心理学〜その1〜

2012.01.19 Thursday

定休日の昨日は「トリックアート展」に行ってきました。飛び出して(立体)見える絵です。
眼鏡的には視覚心理学の世界。眼光学的な視点で展示の品々を観察。
眼光学的な視点で言うと、
両眼視差による立体視 以外の立体的な視覚を得る方法(遠近法や陰影など)を駆使しています。

何のこっちゃでしょ〜? でも、こんなことを考えるのが好きなんです。ワタクシ。


私が眼鏡学校時代に好きだった授業は“視器の解剖生理・眼疾患学”と“視覚心理学”でした。

視覚心理学では主に眼の錯覚などの内容です。印象に残っているのは「月の見える大きさは変わらないはずなのに、月が大きく見える時があるのはなぜ?」と言う内容です。
答えは、
水平線の近くにある月は、比較する物(建物など)が多くあるから大きく見え、空高くにある月は比較する物が少ないので小さく見える。
赤のラインは同じ長さ太さです。
ただし、この答えは視覚心理学の世界では、あくまでも仮説で正確な答えではありません。実は、正確な答えはわかっていません…と言う内容。

上記の話しとは少し違うかも知れませんがこの授業以来、私は人が物を見て感じる時に、必ずしも他人と同じではなく、それぞれに感じ方があると言うことを強く意識するようになり、心理学に興味を持つようになりました。
それは今でも続いており時折、心理学の本などを読む機会があります。


心理学はメガネを作るための検査に、とても重要だと考えています。


その重要性は次回ご紹介いたします。


トリックアート展では最後にお決まりの、ピサの斜塔を全身で支えてみました。