メガネを作るための検査と心理学〜その2〜

2012.01.20 Friday

「心理学は眼の検査に、とても重要だと考えています。」の続きをお話しします。


検査で「もう見えない。わからない。」とお答えいただいた際に私がよく使う言葉で
「勘でも良いので、答えていただけますか?」と言うことがあります。
時には「一か八かで答えていただいても構いませんよ。」と言う場合もあります。


そんなの良いの?と思われるかもしれませんが、これで分かることがあります。

眼は眼だけで見るものではなく脳を通して見ています。眼で見えていても脳で判断が出来なければいけません。
判断する脳は心理的な要素や性格や環境など、様々なことに左右されます。
良いメガネを作るためには「分かりません。」と言う言葉の真意を知る必要があります。

勘で答えていただいた時に、正しいお答えが得られた場合は、眼で見えていても、眼以外の何らかの要素で「分からない」と答えたことになります。
例えば、
心理的な要素には
私(検者)を信頼できない
○答えることをめんどくさく感じていた
○人の注意を惹きたい。お子さんでは多くあります  等々
性格的には
○あきらめが早い
○几帳面でしっかり見えていないと答えたくない性格 等々
環境などには
○日常ぼやけた状態で見ている。(合っていないメガネを掛けていたり、メガネなどでの矯正が必要なのに何も使用していない。など)
*日常ぼやけた状態で過ごしていると、眼では見えていても脳が判断できないことがあります。脳も使わないと衰えることがあります
○物が歪んで見えているため、自分でも見えているのか見えていないのか判断が出来ない
*黄斑変性症や糖尿性網膜症や高血圧などの眼疾患の可能性があります。このような時は、病院への案内をいたします。
・・・等々。

これらを感じ見分けるための入り口の言葉が「勘でも良いので、答えていただけますか?」になります。

良いメガネを作るための検査は、
検者と被検者との対話が基本で、被検者との信頼関係を築けなければ良い検査は決してできません。どんなに眼やメガネの知識と技術、またその経験があっても真意を知ることこそが、皆様に喜んでいただけて実生活で役立つメガネへの完成につながります。


たくさんの方々を検査すればするほど“心の目”を知ることが必要だと感じています。



店内でお待ちのお客さまへ退屈しのぎアイテムとしてトリックアート展のお土産をご用意しました。
遠近法や陰影法を駆使して、飛び出して見える絵画のレプリカ。

こちらは両眼視差により、覗くと飛び出して見えます。お店に用事がなくても、暇つぶしに見に来て下さいね。


両眼視差により飛び出す が「飛び出して見えない。」って方は、必ず私にご報告下さい。検査が必要です。
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